スイートな御曹司と愛されルームシェア
「うちが英進会ゼミナールのフランチャイズ塾になることに変わりはないのですが、講義の再編にTDがかかわることになりました」
「つまり、再編がもっと進んで、うちが小規模化されるということですか?」

 高校数学を担当する男性講師が小さく片手を挙げて発言した。

「いいえ、そうではなく、しばらくは創智学院として今の規模を維持してほしいということです」

 そこまで言って、恭平は咲良を見て続ける。

「つまり、当塾は英進会ゼミナール山田校から創智学院に戻ります。そして、岡崎先生にもこのまま留まっていただくことになります」

 その言葉に、咲良は思わず片手を挙げていた。

「じゃあ、英進会ゼミナールとして受講を予定していた生徒たちが、振り回されるってことですか?」
「いや、まあ……でも、名前が戻るだけですし」

 恭平が言葉を濁し、咲良はデスクを叩いて立ち上がった。

「創智学院から英進会ゼミナール山田校になり、また創智学院に戻るってことでしょう?」
「その通りです」
「看板も英進会ゼミナールに掛け替えたのに、塾としての信頼性はどうなるんですか? 創智学院じゃなくなるからよその少人数制の塾に移った生徒だっているし、英進会ゼミナールだと思って入塾した生徒もいる。それをこんなふうに私たちの都合だけで振り回すなんて、ひどいと思わないんですか? 私は反対です」

< 115 / 185 >

この作品をシェア

pagetop