スイートな御曹司と愛されルームシェア
 今はもう二人のことを心から祝福できる。二人の愛の結晶を見ても、自分のものじゃなくなった塾を見ても、けっして傷つくことはないだろう。

「わかったわ。それじゃ、おいとまするね。朝早くからごめんなさい……。と言っても、我らが生徒たちは今登校中のようだけど」

 咲良の視線の先には、通学路を歩いて行く小学生の集団がある。どんな形であれ、また子どもたちとかかわる仕事がしたい。そう思いながら、咲良は過去と二人に別れを告げ、駅に向かった。

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