彼が涙を流した理由
「どうしよう!!!佐妃!!!」
いつの間にか授業もHRも終わり、掃除の最中。
「よかったじゃーん、初仕事!」
「よくないよっ!!!」
「だって、出口君だよ!?あの真面目そうな出口君!!!絶対、「こいつ仕事できねーな」とか思われる!!!」
佐妃はほうきを動かしながら、適当にあたしの話を流す。
「まぁー大丈夫だよーあさひだしー」
「意味わかんないっ!!!」
とにかく………少しでも迷惑かけないために、ゴミ捨てで時間をかけ…
「ゴミ捨ては、あたしがやってくるから。あさひは行きな?」
ゴミ袋を掴もうとしたあたしの手を制し、にっこりと微笑む佐妃。
鬼!!!佐妃の鬼!!!
「ほら、早く!出口君待たせて、逆に迷惑かけてるんだから!」
……………確かに。
「いってきます!」
あたしはカバンを掴んで、ダッシュで図書室へ向かった。