やっぱりあなたの事が好き

店の外に出ると、入口付近に間宮がしゃがんで、髪をくしゃくしゃっとしていた。


「そんな所に居たら風邪引くで」


私が声を掛けると間宮は振り返り、すごく驚いていた。

そして、持っているタバコから灰が落ちそうになっている。


「あっ、灰落ちる!」

「えっ?あっ、あぁ……」


間宮は持っている携帯灰皿でタバコの火を消し


「どうしたん?」


私から視線を逸らし、そう聞いてきた。


『どうしたん?』って聞かれても……


「なかなか帰って来ぉへんし……。今日、寒いねんから、風邪引くで?」


外は寒いから呼びに来たんやけど。


っていうか……

私、なんでこんなに間宮の事を心配してるんやろう?


“好きだった人”

間宮に対する気持ちは、過去の気持ち。

だけど、間宮が莉子の事を気に入ったかも、って思った時は胸が痛かった。

間宮に“ブス”って言われた時、他の人に言われるのよりも、ショックだった。


って事は……

私、今も間宮の事が好き?


そう思った瞬間、私の心はすごい早さで動きはじめる。

だけど、私はドキドキしているのを隠しながら、黙って地面を見つめて何も答えない間宮に


「なぁ戻ろ?」


普通に声を掛ける。


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