やっぱりあなたの事が好き
外に出て、間もない私だけど、もう手足がかじかんできている。

そんな私よりも間宮は長く外にいる。

黙って地面を見つめたままの何も答えてくれない間宮に


「寒いし、戻ろうやぁー」


腕を前で組んで、足踏みをしながら、もう一度言う。


「なぁ……」


地面を見つめたままの間宮。


「ん?何?」

「さっきはごめんな」


えっ?


まさか、間宮に謝られるなんて思っていなかった私は、すごく驚いた。


「いや、いいよ。だって、昔っから言われてる事やん。それに、私だって自分の事わかってるし……」


私は間宮の隣にしゃがむ。


「いや、でも……」


そう言いながら、間宮は私の方を向く。

間宮が地面を見つめていたから気にならなかったけど、顔を上げた間宮との距離はすごく近かった。


こんなに近くで間宮に見つめられている……


その状況に、私は間宮に聞こえるんじゃないかってくらいドキドキしていた。

間宮も私も見つめ合ったまま、動かない。

そして、沈黙に耐えられなくなった私は


「もぉ、ええって。なぁ、寒いし戻ろ?」


そう言うと、私はパッと立つ。


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