クロスストーリー
「何も殴る事無いじゃんか……あ、旨い。」

「そうか?良かった。」

その一言で機嫌が戻ったようだ。
ランクも違い、しかも異種族の二人と一匹が同じテーブルで楽しそうに料理を囲んで食べる光景は、ここではとても不思議な光景に映るのだろう。
まだぎこちなさは残るものの、間にあった壁は昨日より確実に狭くなった。

「ところでさ…?」

お代りを持って来たカミヤがラックを見て質問する。

「ん?」

「特待生の特権って、他にもあるの?」

「あぁ…さっきのルームサービスみたいなのか?」

「そう、そんなやつ。
ぶっちゃけ俺はこの学園の知識が無いからな。」

「おい。」

「いいじゃんか、説明される方が解りやすいんだし。」
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