中毒ポリシー
「ふざけんなっ」


引き寄せられる身体が…言う事を聞かなくさせる。


引き寄せられて廉の胸へとダイブしたあたしを、廉は痛いくらい見つめると…。


「れ…んっ」



熱くて、熱くて…唇が、廉の触れているところがジンジンとして熱を持つ。


触れた唇から体中に熱が回って行く。


「んんっ…」



グッと目を閉じても何も変わらずに、心が素直に認めてしまう…。


ああ、廉の事が好きなんだって…。


灯っていく熱が心地よく思えてくるあたしがいるの。



「これで…終わりだな」


フッと離された唇が、胸に刺さる言葉を紡いだ。



「な…廉」


「俺の我がままに付き合ってくれてありがとな。迷惑してたよな、ごめん」



合わせてくれない視線も、眉間に寄った小さな皺も…。


なんでこんなにあたしの事を苦しくさせるのか、さっきわかったの。


本当に「恋しい」とか「好き」って思うのって…理由がいるわけない。


「廉!」


「じゃあな」



そう言って手を振った廉が、このまま離れていくと思った。


離れていかないで!離れたくないの…。


「廉!」



振り向いてくれない廉が、だんだんとあたしのイライラを募らせていく。



…っこのわからず屋!



「あんたが…っ好きなの!」


恥ずかしさなんてないくらい必死だったんだ。


廉を引き留めたくて、傍にいてほしくて…。


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