コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
「それにしても、女子高生にカラオケ誘われるって、さすが片霧さんですよね」



交番内の炊飯器で炊いたご飯を盛りながら、感心したように小柴が言う。

コイツ、聞いてたのか……。



「全然嬉しかねぇよ」

「ま、そうですよね。あんなに可愛くて献身的な奥さんと結婚してるんだし」

「まーな」



女子高生なんてもってのほか、どんなグラマラスで色気たっぷりのお姉様が迫ってきたとしても、俺が心を動かされることはないだろう。

縁以上に愛しく想える存在なんてない。

あるとしたら……それは俺達の子供かな、たぶん。



「本当にいつまでも仲良しで羨ましいっす。片霧さんに会ってから、僕も結婚願望持つようになりましたよ」

「結婚はいいモンだけどさ、お前はその前にまず彼女だろ。いい加減、今度の合コンで見付けてこいよ」

「あー……実はあれ、断ったんですよね」

「え?」



警察官にも合コンはある。

お相手はナースとか、俺達と同じ不規則な勤務の職業の女子らしい。

その誘いにはきっちり付き合っていた小柴が断るなんて、なんか意外だ。

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