コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
手を繋いで歩いて明るい通りに出ると、信号が赤に変わって立ち止まった。
「本当にありがとね。素敵な記念日になったよ。……なんか踏んだり蹴ったりだったけど」
まさか不審者に襲われそうになるとは思わなかった。
苦笑しながら言うと、那央はあたしの肩にコテンと頭を乗っけてもたれかかってくる。
「俺も疲れた」
「そうだよね。ごめん、帰ったらすぐご飯の用意する」
「いいよ、急がなくても。明日休みだし、疲れたっつってもまだ元気あるし」
「だから……」と続けると、那央はあたしの耳元に唇を寄せる。
「今夜はお前を、思う存分抱かせてよ」
──甘い甘い囁きに、心臓が大きく波打った。
身体の奥が疼いて、頭からつま先まで熱くなる。
そんなあたしを見て、したり顔で笑うヤツが憎たらしい。
この人のこの余裕……今日は崩してやりたいな。
そんな衝動に駆られ、今度はあたしが背伸びして那央の耳に顔を近付けて囁いた。
「……いいよ。いっぱい愛してね」
ほんのり頬を染めて、カチッと固まる那央。
あたしは笑いながらそんな彼の手を引いて、青に変わった横断歩道を歩き始めた。
「本当にありがとね。素敵な記念日になったよ。……なんか踏んだり蹴ったりだったけど」
まさか不審者に襲われそうになるとは思わなかった。
苦笑しながら言うと、那央はあたしの肩にコテンと頭を乗っけてもたれかかってくる。
「俺も疲れた」
「そうだよね。ごめん、帰ったらすぐご飯の用意する」
「いいよ、急がなくても。明日休みだし、疲れたっつってもまだ元気あるし」
「だから……」と続けると、那央はあたしの耳元に唇を寄せる。
「今夜はお前を、思う存分抱かせてよ」
──甘い甘い囁きに、心臓が大きく波打った。
身体の奥が疼いて、頭からつま先まで熱くなる。
そんなあたしを見て、したり顔で笑うヤツが憎たらしい。
この人のこの余裕……今日は崩してやりたいな。
そんな衝動に駆られ、今度はあたしが背伸びして那央の耳に顔を近付けて囁いた。
「……いいよ。いっぱい愛してね」
ほんのり頬を染めて、カチッと固まる那央。
あたしは笑いながらそんな彼の手を引いて、青に変わった横断歩道を歩き始めた。