コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
──ドクン、と心臓が大きく脈打った。

この“一緒に寝よう”っていうのは……まさか、そういう意味?

縁から誘われるなんて願ってもないことだが、いざこうなると困惑してしまう。


「どうしたんだよ。何かあったのか?」

「な、何も……そういう気分になっただけ」


若干心配しながら聞いたものの、目を泳がせて顔を真っ赤にする縁を見たら、さっきまでの弱い決心なんてすぐに崩れる。

考える間もなく、今まで座っていたソファーに彼女を優しく押し倒していた。


「ようやく俺のことが欲しくなってくれた?」


口角を上げて言うと、組み敷かれた縁は、恥ずかしそうにしながらこくりと頷く。


「遠慮しないけど」

「ん、いいよ」

「何で俺こんなに縁のこと好きなんだろ」

「あはは。……あたしもだよ」


自然と甘い言葉が漏れて、キスして、じゃれ合って。

楽しくて愛おしい時間に、久々に満たされる──そう思った時。


「ふぎゃあぁ~~」


ムードを壊す、元気な泣き声が響き渡る。

「……また?」と口を揃えて言った俺達は、目を見合わせてぷっと吹き出した。

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