男装彼女
「ふーん....」

「ふーん....。じゃなくて!!!!ほらいくよ!!!!」

「おわっ!!!!」

急に引っ張るなよ!!!!
痛いから!!!!
....と言いたいがあまりの勢いに言えない。
マジシスコン。

「姉ちゃんー!!!!」

と、叫びながらブンブンと手を振る馨。
あぁ、なんでついて来てしまったんだろう。
と激しく後悔する。

「あ、馨!!!!と、貴くん?」

ペコっと俺は頭を下げた。

「見てろよ、貴。あの2人やべぇから。」

「は?」

『おねがいしまーす』

と言う声がして試合が始まった。
この学校のテニス部は硬式じゃなくて軟式。
つまり、ソフトテニスだ。
そう、ソフトテニスの筈なのだ。

ーーパコン

ーーシュッ

千先輩と、萌先輩はペアらしく、いろいろ違った。
何が違うっていったらもういろいろ違った。
ボールの速さだったり、守備範囲の広さだったり。
馨がやばいって言った意味がわかった。

「姉ちゃんと千ねぇは全国でもトップクラスのプレイヤーなんだよ」

と、後で馨が教えてくれた時にはもう声が出なかった。
そんなことを言ってる馨も陸上で全国トップの選手だったりする。

....そして俺は....。

「まぁ、部活見学きたけど、どーせお前はあれだろ?」

といって、馨が指をさしたのは....

弓道だった。
< 13 / 59 >

この作品をシェア

pagetop