男装彼女
side貴

弓道は俺にとっての恋人だ。
こんなこと言ったら変人扱いされるのはわかってるけど、俺は弓道が好きすぎる。
たまに、弓が可愛く見えたりするときだってある。

そんな俺は中学校から弓道を初めて最後は全国大会に出場した。
千先輩や萌先輩、馨みたいに上まではいけなかったけど。
でも、高校では上までいってやろうと思っていた。

「じゃ、俺は、陸上行ってくる!」

「なら、弓道行ってくるよ。俺、先に帰るからな。」

えぇー、と馨が言ってたけど無視無視。

「失礼しまーす」

「お、見学??」

「はい。」

「りょーかい。んじゃ、そこ座ってて。」

と、俺は先輩であろう人に指示されたところへ座った。

ーーパシンッ

単調な音が聞こえてくる。
....やりたい。
....弓、ひきたい....

「....君はー、初心者?」

「いえ、中学の時やってました。」

「そっか、ならやってみて?」

「いいんですか!?」

「もちろん」

この先輩いい人。
俺のいい人ランキング上位レベルのいい人。

スーハースーハー....
呼吸を整えて的を狙う

ーーパシンッ

「綺麗だね」

「....あ、ありがとうございます」

「入部待ってるよ」

「はい!!!!しつれいしました!!!!」

弓もひけたし、マジテンション最高!!!!
そう、この時までは....

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