愛しています
それから一ノ瀬君とレストランで楽しい話をした。

「今日はありがとう」

一ノ瀬君は私に言う。

「いえ、私こそ…」

結局、家まで送ってもらった。

「一ノ瀬君、ほんと大丈夫??駅まで…」
「いや、大丈夫だよ。行きたいって言ったの俺だし」

でもここから駅までも、結構時間がかかる。

「じゃあ、気をつけて帰っ…え??」
「歩ちゃん??」

え、凌…君??

なんで??

一ノ瀬君は後ろを振り返る。

「あれ…北見君??」
「一ノ瀬、歩??なんでお前らが…」

それはこっちの台詞だ。

どうしてその子と一緒にいるの??

凌君の隣にいた女の子。

それは隣のクラスの日高陽菜だった。

「一ノ瀬君、今日はありがと、ばいばい」

私はそれだけ早口で言って家に入った。

ドアの音がバタンとなる。

「…はぁ…」

見たくなかった。

なんであの子と??

わけ、分かんないよ。

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