愛しています
過去Ⅲ
『それ、どういう事??』
『だってそうだもん。私、ずっと凌君の病院に入院してたのにっ、一度も来なかったもん。誕生日だってそう、私絶対捨てられたもん…お母さん、私の事嫌いだよ。すぐ泣くしわがままだし』
『母さんにも、会えない理由があるんじゃねーの??』
『だったら電話のひとつくらい…。第一凌君だって私のお母さん見たこと無いでしょ??』
『まあ、な』
『私、いらない子だったのかな…』
『そんなことあるわけねぇじゃん』
『だって』
『そんな無駄なこと考えるな。気にすんなよな。俺がいるじゃん』
『そんなのわかんいもん…凌君だってきっと、お母さんみたいにいなくなっちゃ…』
『いなくならない』
『え??』

凌君は真剣な顔を私に見せてくる。

『絶対いなくならないから。安心しろ』
『ほんと??』
『あぁ。本当、約束するよ』
『うんっ、約束!!』

この日私と凌君はある一つの約束を交わしました。

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