Kiss of a shock ~涙と~
陣内は、何も答えずに立ち上がった。


それから、素早くみどりの鞄とコートを持って、声をかけて腕をとった。


「お見送りします。」


「・・・。」


みどりが、呆然と自分を見ている。


その視線は、戸惑っているものだったが、そのうちに怒りを帯びた眼差しに変わってきた。


「どういうこと・・・?」


「大島さん、これ以上は・・・。」


「あなたに聞いてない!健二さん!」


腕を掴んでいた陣内の手を振り払うと、面倒げに髪を掻く健二の前に躍り出た。


「馬鹿にしないでよ!」
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