Kiss of a shock ~涙と~
それを見て、健二はクッと苦しげに泣き笑い、言った。


「・・・お前と俺は違う。」


健二はくるりと二人に背を向けた。


「健二!」


祖父は青褪めて声をかけた。


健二は振り返ることもなく、そのまま雨の中を駆けて行く。


それを見送って、直人は小さくその名を呟いた。


「・・・健二・・・。」


憎まれているとは、嫌われているとは、感じていなかった。


思っていなかった・・・。
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