Kiss of a shock ~涙と~
「あの・・。えっと・・・」

瞬く間に直人に抱き上げられて、そのままベッドに運ばれる。

そういうこと・・・も、怖くないと言えば嘘になるけど・・・覚悟はできてる。

けど・・・

あまりにも突然すぎて―

ベッドに下ろされると、スプリングがギシッとしなった。

万理香を見下ろす直人の目は、これまでに見たこともないくらい―、熱くて・・・強くて・・・、怖いのと同じくらい、クラクラさせられる。

あ・・・

唇が、額に降りてきて、チュッと音を立てた。

「好き・・・?」

って、小さく問いかけて、弱弱しく微笑む。

思わず、「大好きですっ」って声を張って応えていた。

「そうか―」

納得したみたいに答えて、首筋にキスを下げる。

「うひゃっ!」

びくんと身体がはねた。

だって、だって、そんな!

「万理香・・・」

・・・

どくん

心臓の音が、自分の鼓膜を割いて響いてきたみたいだった。

「俺も・・・愛してる。」

愛してる、そう言って見つめ合うと、直人の瞳の奥に・・・影が見えた気がした。

愛してる・・・甘い言葉のはずなのに、そう言った直人が、複雑な顔をしているのは・・・

きっと・・・

幸せになってはいけないっていう、観念が消えないからなんだろう。。。

万理香は、直人の頬に腕を伸ばした。

・・・

「大丈夫・・・だから、抱いてください。」

どうすることもできない。

だから、-----そう言うのが、精一杯だった。
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