Kiss of a shock ~涙と~
そうー言うことしかできなかった。


それが、その一言が

あの女をどれほど追い詰めるのか

そんなこと

考えもしていなかったんだ。。


「・・・直人さん・・・。」

万理香のか細い声に、ハッと我に返った。

それで、俺はああ、と呟いて言葉を紡いだ。

「健二の母親が自殺したのはそれから半年も経たないうちだった。庭で喉をかき切ったんだ。雪が積もってて、そこに赤い血だまりができてた。今も忘れることのできない光景だ。」

健二はまだ1歳で、何も分かってなかった。

母親の死も。

俺の罪も・・・。
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