紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
「……だっ、大丈夫です!!」
私は慌てて両手を左右に振ると
「…あの…私は…だ、大丈夫です。
…もう…大丈夫です…から。
河瀬さんもさくらさんも
凄くいいご夫婦でした…。
それにあの…。
お二人とも優しかったです!!」
そう言って
もう大丈夫である事を強調した。
『……そうか。』
私の返答を聞いた彼は
はぁっと息を吐くと
私の両肩に置いていた右手を離して
私の頭にポンと移動させた。
「……!!」
彼は普段頭を撫でるなんてしない。
突然の事にドキッとする私に
『…帰宅途中に河瀬から電話があった。
マンションまで無事に送り届けたとか
紅がさくらさんと打ち解けて
だいぶん落ち着いてる事も
報告を受けてはいたけどな…。』
彼はそう言った後
『…でも、本当に大丈夫か?
…なあ…紅…正直に言ってくれ。』
もう一度私の顔をジッと見た。
鋭いけど吸い込まれそうな瞳。
触れたくなるほどの艶やかな黒髪から
メンズブランドのコロンが
ふんわりほのかに香った。