想いを伝えるその日まで



「さあ……どう思う? 奈由の想像に任せるよ」


 今の俺には、そう答えることしかできない。

 ご丁寧にニヤリと笑い、奈由を苛立たせることも忘れない。

 そんなことをしてしまう自分は、本当に不器用で素直じゃなくて、馬鹿だな、と思う。

 奈由は唇を尖らせてから、一口いちごジュースを飲んだ。

 また、胸がチクリと痛くなった気がした。


  END
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