家族ごっこ

「まずは形から…ってことかぁ」

無理矢理家族にしちゃうのは、なんだか解せないけど。

ルールらしいので従わなくちゃ。

…楷さんが直接私に言わなかったわけは、コミュニケーションを取らせるため?

「で、あともうひとつ。あるんだよね」

わくわくと詩乃ちゃん…否、詩乃が智輝さ……うぅ、智輝を見つめる。

しょうがないなあ、それも言うんですか?と言いたげな彼は、若干苦笑しつつ。



「部屋は二つしかないので、男性陣と女性陣に分けます」



「だから詩乃と一緒なの〜っ」


きゃーっとはしゃいで、私に抱きついてきた。

「あぁ…だから女の子が嬉しいんだ?」

「うんっ!詩乃一人で寝るのもう嫌だから」

にっこりと無邪気な笑顔で私を見つめる。

……ん?
なんだろ、今何か引っ掛かるものが……

「今日の夕食はクリームシチューのパン包みですよ〜」

「えっ!?すっご!?」

よぉし、これから頑張るぞ!ツンデレお姉さんとして!

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