不良くんと鈴の音
「佳…いい加減離してよ。
逃げたりしないし話聞きますよ〜」
「……」
離してくれたのはいいけど
いきなり黙りですか…
てゆーか本当久しぶりに
一緒に帰ってるな
……そういえば
「小学校の時もあったね!
卒業式の日佳ずっと黙りで家着いて…
バイバイも言わないで家入って
あれからずっと私を避けてた…」
「……」
何げに悲しかった
1番分かり合える友達だと思ってたし
私一人っ子で両親は共働きだから
寂しい時は絶対佳がいてくれた
だから中学で避けられた時は
なんでか分かんなくてただひたすら
悲しくて泣いた
「また何も言ってくんないのかよー」
「…」
「佳〜」
ほんとに大切な存在だから
離れてもずっと
大切な幼馴染みだから
「佳が何したいか全く分かんない
また話せなくなるのは悲しいよ」
「……いくら離れても結局…」
ずっと黙って先を歩いてた佳が
独り言のように呟いた。
「え?」
「お前はずっと…!
人の気も知らねーで…そうやって」
振り向いた佳の顔は
今まで見たことのないくらい
悲しみに歪んでいた。