不良くんと鈴の音





そういえば、私が屋上に入った時

やっぱりついてきたって
言ってたような…


やっぱりってどうゆう事だろう


「あのっ、さっき…

「昼飯」



「え?」

「くれたら、話す」



は?

会話すんのにご飯あげなきゃ
いけないの?


「なんで……買ってきます」

「カレーパンとメロンパン」


反論しようと不良くんを見上げると
綺麗な容姿に何も言えなくなってしまう

ほんとに、ほんとに…
完璧なんだもん…

どストライクですよ、ど!


はぁ…私って好きな人に
貢ぐタイプだったのね….


自己嫌悪から大きくため息をつく。

ドアノブを握り
ちらっと不良くんを見る。


この学校で一番高い場所に座り
遠くを見つめてる彼の髪を

風が優しく揺らす。


何を…考えてるのかな


「何」

「あ、いや!行ってきます」

「ん」



屋上を出てそのドアに
背中を預けた途端
力がぬけて、その場にへたり込む。






話せた……

君と一歩近付けた…







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