◆ナイトメア~引っ越し~【ホラー短編】
◆助っ人

「あの、坂田さんですよね? 坂田主任の所の確か、美鈴さん?」


不意に背後から名前を呼ばれ、私はドキリと驚いた。


まだ若そうな男性の声。

振り向くと、背の高い痩せぎすの青年が二人立っていた。


一人は二十代後半くらい。

もう一人は、私と同じくらいか、ちょっと上くらいに見える。


二人とも黒い短髪で、一重のスットした切れ長の目をしていて、良く似ている。

一目で、血縁者と分かる風貌だ。

格好も色こそ違えど、半袖Tシャツにジーパンと似たり寄ったりだった。

相手は私のことを知っているようだけど、どちらの顔にも見覚えがない。


「坂田ですけど。あの……?」


不安いっぱいで尋ねる私に、年かさの青年がニコリと人好きのする笑顔を浮かべて、自己紹介を始めた。


「自分は、坂田主任の部下になった石崎、石崎政志(まさし)と言います。こっちが弟の、真次(しんじ)、今日は、主任の引っ越しの手伝いに来たんですが……」


政志さんは遠巻きの人だかりを見て眉をひそめると、声のトーンを落としてそのまま言葉を続けた。


「何が、あったんです?」

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