彼は
大胆なことを言ったと我に返り、恥ずかしくなる。
こんな経験は一生に一度となることだろう。
「…………愛せるかな」
疑問符のついた彼の言葉。
そんなことは私に聞かれても困る。
私が『愛して』なんて大胆な発言をしてしまったわけだけれど。
彼は私に覆いかぶさった状態のまま、私の胸に顔を埋めた。
その頭を優しく撫でる。
いい子、いい子と怯えたままの猫を安心させようと。
「こんなに温かいんなら、嫌いにはなれなさそう」
『いい子いい子』に効果があったのか、期待していた言葉が彼の口から漸く聞けた。