自動車学校の夏
 そのうちに続々と人がやってきて、小さいロビーはあっという間にいっぱいになった。


「あ、なつみちゃん早いな。」
寮の大阪の子がやってきて話しかけてきた。

「うん。何となく早くきてみた。実技やっぱり緊張するね。」
昨Θ、みんなでゲタゲタ笑いながら話した夜を思い出しつつ、相槌をうった。


「うちら、めっちゃやばいねんけどッ。だって、今Θ、S字とクランクやで。バリキツいって。」
「ほんままぢやばい、うちらやって、こないだの日曜日にきたばっかなんに。」

彼女たちは、水曜日に入った私達より3Θ間だけ先輩だ。


「え? S字とクランクって何?」

純粋にわからなかったので聞いてみると、

「あそことあそこにあるくねくねしたほっそい道と、そこの手前にあるカックンカックンしたほっそい道や。こう、ブレーキふみながら、ガンガンハンドルまわしまくらないけんらしいわ。」

ロビーから見える教習所のコースを指差して教えてくれた。

< 14 / 51 >

この作品をシェア

pagetop