今年の夏休み
彼女は友達

アクシデント

休憩時間、控え室で甘ったるい缶コーヒーを飲みながら、
誰かが置いてあった漫画を読んでいた。
佐古さんと店長が浮かれ気味に話しているのを横目で見ながら
続きどこにあるかな~、と3巻を読み終え、4巻をごそごそと探していた。

「ワタルも来いよ」いきなり話を振られて
「は?何がですか?」と顔を上げた。


「だから花火大会!毎年恒例で、
 みんなで席取ってさ。
 大輪の花火の下で飲むビールは最高なんだぜ」
「や、もう酒はいいっス…」
「あ、コレ、全員参加なんで。可愛い子連れてこいよ。
 命令な。花が必要だろ?」
「佐古さん、大学生でしょ?よりどりみどりなんじゃないんスか?」
「松ケン、聞いてくれるな・・・佐古の在籍する理学部になんざ、女子はいないのよ・・・」
「うっうっうっ・・・・」
「ってことで女の子の調達よろしくねん!」
「ちょっ・・・待ってくださいよー、無理ですってー」
「これは業務命令だっ!」
「店長~~~・・・・待ってくださいよーー」
「よし!1人連れてきたら時給50円UPね」
「よっしゃっっ!!!・・・・ってやっぱちょっと待ってくださいよ~~~」


無理矢理な業務命令を浮け、小さく溜息をついた。
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