佐藤くんは甘くない


「あの、これは……」


見ちゃいかん奴や。

と、心の中でつぶやく。


「もしかして、ひまりちゃんと話すために私が帰ってくるまで考えてた……とか?」


びくっと、佐藤くんの肩が震える。

そして、

「……違う」


と、ちっさい声で否定してくる。……うわあ、嘘つくの下手すぎるこの子。


「ほんとに、あれ……ひまりちゃんのこと、好きだったんだね」


あれは何かのネタかと思っていた私が物凄く、申し訳ないです。

そうしたら、佐藤くんは弱弱しく、


「……うっさい、言ったじゃん。そうだって。バカ」

「勘違いしてたよ……ノートに書くくらい悩んでたとは思わなくて」


もう一度ノートを見る。うわあ、居たたまれねえ。


真っ赤なまま、佐藤くんがもう泣いてしまうんじゃないかってくらいに切羽詰まった声で、


「もう、言わないで。……恥ずかしい、から」



可愛すぎて鼻血でるかと思った。


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