17歳の遺書
寝ては起き、寝ては起きを繰り返し、ついに迎える朝。

いつもと変わらず太陽が輝く。
いつも私の心を支えてくれた太陽は、
今日も変わらなかった。


変わらないものが人の心を支えて、大切にしたいと思えるものがあれば、
人は生きていけることを学んだ。



『おはよ。』

いつの間にか起きていたゆうに声をかける。


『美帆、こっち来て。』
ひらひらと手を振るゆうに近づく。



『なに?』
急に不安になる。どこにもいかないで。
こわい。

ぷっっとゆうが吹き出す。


『なに、その顔。笑ってよ。ほら、いつもみたいに、バカっぽくさ。』

『なにー、バカみたいって!そんな風に思ってたの!?』

思わず笑顔がこぼれる。

『笑えんじゃん。かわい。』


やっぱり、ゆうには叶わない。
私のことをずっと笑顔にしてくれる。
いつも笑顔にしてくれる。


ゆうがいてくれるだけで、幸せすぎて幸せすぎてやばかった。

『はいはい。』

恥ずかしさを隠してそっけなく返す。
本当は嬉しくてたまらないのに。

『照れてんの。かわいーなー』

『はいはい。』


『ねぇねぇ......』
ゆうが途中で言葉をとめる。

『なに?』

ガラガラっとドアが開き、看護師さんが入ってくる。

『そろそろ準備だから、これに乗ってね。』

とでかいベットを持ってくる。

『はーい。』


慣れた感じでベットに乗るゆう。

もう行くのかな?結構早い。まだ言ってないことたくさんあるのに。



『じゃあ行くねー。美帆ちゃんも、途中までは来れるから、ついてきてね。』


そういって看護師さんは動きだす。
私も後に続く。

ゆうはしっかりと上を見てる。
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