17歳の遺書

出会い。

悠希は俺の主治医の先生の子どもだ。
3歳のとき、友達もおらず、1人だった俺に、孤立していた俺に、自分の子どもだといって紹介してくれた。

初めて会った時、
俺の身体をみて、
『あぁ、痛そう。痛いの痛いの飛んでけー、これでもう痛くないよね。』
と言ってくれたことは鮮明におぼえている。あー、あとすごく可愛い男の子だなと思った。これは秘密だけど、、



悠希とはすぐに仲良くなれた。

一緒にいるとすごく楽だったし
唯一、自分が苦しいことや、辛いことを吐き出すことができた。
それを何も言わず受け止めてくれた。
俺は世界で1番のいい奴だと思う。


悠希はとにかくかっこいい。
もうこの世のいいところを全て集めたかのように、全てがかっこいい。行動も、顔も、性格も。

だから学校に行くとまたたくまに人がたくさんよって来る。
バレンタインのチョコをもって帰って来たときは驚いた。ほんとにすごかったからなぁー、、
ほんとにチョコが山のようになっていた。それでもそれを全部食べていた。
申し訳ないからと。

それをみて、聞いてみた。

『すきな子とかいないの?』



一瞬空気が止まったかのように感じた。
でもそれは一瞬でまた笑顔に戻り、

『いないよ。』
と言ってちいさく笑った。

絶対にちがう、隠してる。
それでもそのときそれ以上聞くのはやめた。

なんだか、すこし怖かったから。
悠希が彼女をつくらないのは自分のせいだから。迷惑をかけてる。
でもそれを認めたくなくて、聞けない。
俺は最低だ。


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