17歳の遺書
『やめて、離してっっ』
初めて聞く美帆の悲しさとか、苦しさとか色んなのが混ざった声。
胸にグサグサとささってくる。
『俺離さないから。あれは.....』
『あれはなに??また隠すの?』
『あれは、俺、本当に普通のこと言っただけだから、あんまためないけど、
男は強くなって、女を守らなきゃって
だから泣いてたら、大切な人が悲しむからって。そんだけだよ。』
『そんだけを隠してたの?』
『だって恥ずかしいじゃんか。そんだけでも、俺。守れてねーし、偉そーなこと言ってるなって思われたくないし、』
『守れてるよ。ちゃんと守れてるよ。』
泣き出す美帆。
また俺守れてないじゃん。
『泣かんで。』
美帆の耳元でつぶやく。
こっちの方が効くかな、と思って。
ちょっと意地悪だけど泣いて欲しくない。