『土方大明神』
ガクガクと震える身を支える近藤珠樹の首筋にすっ―と冷たい両手で掴まれた。
「「!!!!」」
避ける間もなくそのまま首筋に両腕が絡まる。
「変わって…!!!!」
「に…にかい…どう…さ…ん…。」
首筋に絡まる両腕に力がこめられギョロリとした目で睨まれた。
「ちっ‼ くそ………!!」
その様子に気づきつつもなおも妖しい動きを繰り返す虎鉄へと誘う漆黒の闇が形をなぞり今にも異界の口に飲み込もうとしていた。