クールなキミとの恋模様


バカみたい。


ホントに。


なんで学習しないかな、あたし。



しんちゃんからのメッセージに浮かれちゃって。


浮かれすぎて気付かなかった。



あー、ホントにバカ。



……行くんじゃなかった。



校門の側まで行くと、カバンを持ったしんちゃんが立っていて。



「ナツー!」



しんちゃんの隣には、あの時と同じように無邪気に笑う美雨がいた。



……なんで?


どうしているの?



断ったハズなのに。


どうして。



足取りが重くなって、上がった気持ちが一気に冷め始めた。


顔からスッと笑みが消えて、ありえないくらいに胸が締め付けられる。



いつの間にか止まりかけていた足を、動かし始めたのは爽に腕を引かれたからで。



1人じゃ絶対に2人の前まで辿り着けなかった。


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