クールなキミとの恋模様
こ、ここまで性格が悪いとは。
マジありえないんだけどっ。
桐谷はいいかもしれないけど、スケッチができなきゃあたしは困る。
「一応、学校生活かかってるし。彼女のフリしてくれたら、俺は平穏に暮らせるんだよ」
ーーカッチーン
さすがのあたしも、ここまで理不尽なことを言われてカチンときた。
「あ、あたしは命かかってんだけど!」
取り巻きの女子に恨まれたらどうしてくれんのよ!?
女の嫉妬は怖いんだからねっ!
後ろからグサッ、なんてこともあるんだから!
「ははっ!命って……!大げさだろ」
桐谷はそう言ってケラケラ笑い出した。
ギスギスした空気が、ふわりと優しい雰囲気に変わる。
キリッとした鋭い瞳がスッと細められて、不謹慎にもちょっとだけドキッとしてしまった。
「笑いごとじゃないんだからね……」
刺されたら、どうしてくれるの?
っていうか、桐谷ってこんな風に笑うんだ?