大好きな君へ。
 「ああ、それそれ。確か『離婚したんだけど、お母さんが仕事で忙しくてね』って言ったよね?」


「ああ確かに」


「あの時は本当に助かったよ」


「あの時って?」


「ホラ、僕のバイクが横断歩道の横で……」


「そう言えばお前何であんな場所で転んだんだ?」


「いや、その……あの」

僕はしどろもどろになった。


「もしかしたら、誰かにときめいたとかか?」
仕方なく僕は頷いた。


「だからクラクション鳴らされた訳か?」

孔明は笑い出した。


「お前らしいな」


「何だよ。そのお前らしいなって」


「聞こえてきたぞ。優香と付き合っているって」


「えっー!? 何でだ」


「お前忘れたんか? 俺んちは結夏ちの真ん前だったろう。おばさんが話しているなを聞いたんだ。実は今日からかいに来た」


「お前な……」

「何だ、違うのか?」


「いや、婚約した……って言うか、結婚を前提に付き合ってるよ。優香のお父さんに許可もらうためにな」


「その許可って何だ?」


「優香が言い出したんだ。結夏と流れた子供の供養をしようって。そのために朝早く此処に優香が来ているんだ。勿論おばさんの許可をもらってからだったけど……」


「優しいな優香は、翔がなつくはずだ」


「なつくって言うより、離れたくないって感じだったな」


「まるでお前と原島先生のようだな」


「言えてる。だから翔に言ってしまった。原島先生が僕にくれた言葉を……」


「それは何だ?」


「僕が優香にブランコで怪我を負わせた時、原島先生が言ってくれたんだ。『女の子は赤ちゃんを産むことの出来る大切な体なのよ』って」


「えっ!?」


「ごめん、何も知らなくて……原島先生は『あっ、あの言葉ね。でも辛くない?』って言ってた。僕は『大丈夫です』って言ってしまった」


「原島先生は、翔よりお前を気遣ったんだと思う。その時兄貴は?」


「事情徴収されてる頃だと思うよ」


「かなり厳しかったそうだよ。いっそ認めて……そうすれば楽になる。そんなこと考えたらしい」


「結局、証拠はあのスキンだけなんだよね? 決めてに欠けた……」


「そうなんだよ。結夏の体内に残されたDNAとは明らかに違っていたんだよ。だから釈放しなくてはいけくなったんだ」

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