七色マーブル【短編集】
夜がしらじらと明け始め、太陽が世代交代を月に言い渡す。工業地帯は相も変わらず忙しそうに、煙と音を吐き出している。


「…なんか贅沢だね。」

「…だなー」

「ね、シゲも今度から行きたい所あったら言ってよ!」

「おう、じゃあ全国秘宝館めぐりなんて…」

「誰が行くかっ」






ゆっくりと煙棚引く朝の煙草。タイミングの悪い夫とワガママな私。


来たる未来にはひ孫が月に住むか住まないのか。それはまだ分からない今現在。地球の居心地はそんなに悪くない。





【終わり】
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