厄介なkissを、きみと
きつく目を閉じたのは、覚悟を決めたからじゃない。
これ以上、無理だったのだ。
すぐそこにある翔平の顔を、見ていられなくなったから。
「………っ」
けれど、すぐに後悔した。
真っ暗闇の中では、集中してしまう。
意識も、細胞も。
私のすべてが、翔平の唇へと集中してしまう。
唇が離れて、ゆっくりと目を開けて。
すぐそこにある翔平の顔を見つめて。
もしここで、
「どうして?」
と訊ねたら、翔平はなんて答えるだろう。
ごめん、と謝るのだろうか。
いいわけを、あれこれ並べたりするのだろうか。