厄介なkissを、きみと

翔平の顔が、ゆっくりと近づいてくる。

鼻先が、触れるか触れないかの距離で、


「オレも、男だってこと」


翔平の吐き出した息が、私の唇を撫でる。

先ほどの感触が思い出されて、体の奥底でジクジクとした熱が生まれる。


けれど、それに気づかないふりをした。


ちがう。そんなんじゃない。

私たちは、ただの同級生。


「……わけ、わかんない」


じわじわと、目の奥が熱くなる。

でも、泣くわけにはいかない。


だって、納得がいかないもの。

そんなの、答えになってない。


「ちゃんと、わかるように説明して。
そんなんじゃ、泣けな、」


翔平は、最後まで言わせてくれなかった。

私の唇は、私の言葉を口に含むように開かれた翔平の唇で塞がれてしまった。

< 28 / 32 >

この作品をシェア

pagetop