enola…【インターセックスに生まれて】
alone…
あたしは生まれながらにして男性器と女性器を持っています。




『誰が一番遠くにションベン飛ぶか競争しよーぜ!』
子どもの頃のそんなささいな遊びの中でジブンってトモダチのと何か違うな…って。


名前は『裕~ユウ~』
オトコノコとして育っても
オンナノコとして育ってもいいようその名前を授かりました。

甲子園が何十年ぶりに黄色でにぎわい、電話会社が民間へ…そんな時代。


夏になると近くの無人駅が、夢や希望…ときめきを求めてにぎわい。
家から数歩の道も渋滞する…
そんな海岸近くにあたしはウチで三人目の赤ちゃんとして生まれました。


あたしには兄と姉がいて
生まれた時に父も母も『今度はどっちだ?』と笑顔であたしの誕生を迎えてくれた。

そしてこのカラダを目の当たりにし…

笑顔の奥で、きっとこれから訪れるであろう困難を乗り越えようと家族皆で話し合い支えていこうと、ある種の団結や希望にも満ちあふれていたでしょう。

あの日まではきっと。
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