フェイント王子たち
『受かったから、宜しく』
と、幾姉ちゃんから短いメールが来たのは、それから1週間後の事だった。
大吾の通う大学の位置を確認して、早速次の日、仕事終わりに美沙と不動産屋へ向かう事にした。
「いらっしゃいませ」
前に対応してくれたお兄さんが笑顔で出迎えてくれて、
「あ、どうぞ。お座り下さい」
と、案内されてカウンターに美沙と二人で座る。そして、向かい合って着席したお兄さんの開口一番の台詞が、
「お決めになられましたか?中山様」
だった…。