フェイント王子たち
ふふっ。なかなかいい親子関係だね。2人を見ながらアパートの方に歩き出した私を亮義兄さんが
呼び止める。
「あ〜、有栖ちゃん」
「はい?」
「一軒、行きたい店があるんだけど、いいかな?」
「はい、いいですよ」
「高校時代の友達がやってる店があって、俺が唯一知ってる東京の店なんだよね」
「へ〜、お友達が」
「ああ、だから、ま、こいつの顔見せしとこうかと思ってさ」
と、亮義兄さんは大吾の頭をワシワシと掴む。