フェイント王子たち
大吾は川合を指差し、昭次さんが川合の方を見る。
「いらっしゃいませ」
「面白いですよね、辰巳さんの本」
「ありがとうございます」
「ここに来たら辰巳さんに会えるって大吾くんから聞いたんで、あんなハードな本書くのはどんな男かと思って、有栖に連れて来てもらったんですよ」
ん?今、私の事、なんて呼んだ?
「あ〜、そうなんですか。期待に応えてもっと厳つい男だったらよかったんですけどね、普通の男で、拍子抜けでしょ?まあ、ごゆっくり」
昭次さんは優しい笑顔を残してカウンターへ戻って行った。