【完】キミと生きた証


あぁ・・・具合が。


4時間目を終えた頃、体調が悪くなって保健室に来た。



「ちーちゃん、調子どう?」



真由ちゃん先生がベッドの外から声をかけた。


「大丈夫・・。ちょっと、気持ち悪いだけ。」

「そう?そろそろお母さんに迎え頼もうかと思ったけど、まだ車に乗れそうにないね?」


「うん・・・。もう少しだけ寝たい、かも・・・。うぅ・・・。」



寝返りを何度も打って、ようやく夢の中。



起きたら・・・・もう放課後・・・?!



「真由ちゃん先生・・・あたし寝過ごしました。」


「気持ちよさそうに寝てたから起こさなかったのよ。どう、よくなった?」


「もう平気みたい。」


「そういえばさっき携帯鳴ってたよ。」



・・・あ!そうだ!


待ち合わせ・・・!!


で、電話しなきゃ!


1コールで瞬が出た。



「あ、もしもし、瞬もう帰・・・え?待ってる?ごめん、ごめんね。今まだ学校で・・・保健室で寝過ごしちゃって・・・。」



『大丈夫か?』


「うん。」


『なら今からそっち行く。迎えまでまだ時間かかるんだろ?』


「え、いいよ、そんな・・。」


『いい。・・待ってろ。』



電話はぷつりと切れた。



「ちーちゃん、瞬って、ダレ?」


真由ちゃん先生がにこにこしながら聞いてる!


あたしは真由ちゃん先生の机の傍の椅子に腰かけて、


1月22日に瞬っていう子と付き合ったってことを話した。


「おめでとう!!え?でも、いまから来るの?!ココに!?」


「うん、多分本当に来ると思う。」


「愛だなぁー・・♡どんな子?」


「優しい人。」


「へぇ、そうなんだ。よかったね、これで恋の短歌も感情こめてよめるね。」


「あはっほんとだ。」



保健室の消毒の匂いはあんまりすきじゃないけど、真由ちゃん先生のコーヒーの匂いは好き。しあわせ。




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