【完】キミと生きた証


朝が来てからまた先生に診てもらった。

昨日のでそうとう体力使っちゃったんだと思う。


角度をつけたベッドにぐったりと寄りかかってた。


「・・・先生。あたし・・・26歳まで生きれますか・・・?」


勝手に余命伸ばしてるんだから、先生戸惑ってる。


「・・・。無理かぁ・・・。」


「手術ができれば・・・無理じゃないよ。可能だ。前にも説明しただろ。」


「手術できなかったら・・・死ぬ?」


「誰がいつ死ぬかだなんて予測にすぎないんだよ。ちーちゃんの生命力でも・・・十分に変わる。」





生命力・・・。

どうしたら生命力、強くなる・・・?




「先生・・・あたし・・に、26歳まで、生きるって言って・・・。」





嘘でもいいから。


生きるって言って・・・。




涙がこぼれるけど、嗚咽を漏らす元気はない。



「ちーちゃんは[長い年月を生きる]。お父さんより・・・もっともっとだ。一緒に頑張ろう。」



先生の言葉に涙があふれる。


でも、苦しい・・・。




「はぁ・・・っ。はぁ・・・っ。」



「酸素あげて。」




もう・・・退院するより先に


死んじゃうんじゃないかな・・・。





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