【完】キミと生きた証
「おう、本当だ。黒くなってる。」


「あ?」



瞬が「あ?」って言って、睨む癖。

久しぶりに見た。


最初はそれが怒ってるように見えたっけ。




「今ね、駅員さんと瞬の話してたの。髪染めたんだよって。」


「・・あ、そ。」


「そんなに睨むなよ!はいはい、出てけってか。いいねー、若いね。」



駅員さんはにやっと笑って、待合室を出て行った。



駅員さんにぺこりとお辞儀をしてから、あたしは左端の席に座って。



瞬はあたしの隣に座る。



「ここで待ち合わせって、久々だな。」


「うん。」


瞬は黒とグレーの手袋をはずして、あたしの方に手を伸ばして、繋いだ。



幸せだなって思う。




もし、願いが叶うなら


ずっとこの時間が続いてほしい。




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