【完】キミと生きた証
「なんか瞬、疲れてるね?」


「さっきまでバスケしてたからな。」


「そっか。瞬くんってK中のエースだっけ?前にバスケ部の子らが言ってたよね?」


「言ってたよね!イケメンのヤンキーとも言ってたよ!」


「・・・だれだよ。意味わかんね。」




3人とも椅子に座ったら、仁奈ちゃんが鞄からがさごそと何かを取り出した。



「はい!ちーちゃん、誕生日おめでと!」



「・・・あ!!そっか!誕生日!」



すっかり忘れてたというか・・・毎年のことながら日にち感覚がなかった!



「・・・はぁ?誕生日?」


「・・・ってまさか、瞬くん・・知らないの?」



「いつ。」


「明日。常識でしょ?」



ぴしゃっと仁奈ちゃんの言葉がキマッた。



瞬の視線はあたしの方へ。



「・・・ちとせ、なんで言わねぇんだよ。」


「・・・忘れてた。へへ・・。」



瞬が溜息ついた。ごめん。


・・・でも、仕方ないよね?


あたしの頭の中は誕生日なんかより、瞬でいっぱいだったんだもん。



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