【完】キミと生きた証

放課後、保健室に行く。



そこにはすでに2つの人影があって。


もう噂が回ってさっきの出来事を知っていた真由ちゃん先生が、瞬にそれを話しちゃってた。



「・・・だから共学は嫌なんだよ。」


「ヤキモチ?可愛いねぇー」


「いちいちうぜんだよ真由は。」


「真由先生と呼びなさい。」



鞄を置いて座ると、瞬がこっちを見た。



「で・・返事、なんて言った?」


「ごめん、彼氏いるって答えた。」


「なのに、何が考えといてだよ。意味わかんね。日本語わかんねえのか?」


瞬は明らかに不機嫌で。


勉強を進めながら、たまに思いついたように舌打ちをする。



「ちーちゃんは瞬くん一筋なんだから、そんな怒んなくてもいいじゃんね?」


「ちとせに怒ってるわけじゃねえよ!なんか・・・鬱陶しい。」


「でもね、瞬。あたし、あの子の名前すら知らないから。向こうも本気で言ったんじゃないと思うよ。」


「・・・・本気だろあの感じ。」



瞬は、「気分転換に図書館の偏差値の表でもみてくる」って、保健室を出て行った。




「ヤンキーの不機嫌は大変ねー。もの壊さないといいけど。」


「物なんか壊さないでしょー・・・・って、いや、ありえる?瞬って停学経験あるんだって。」


「げ!なんてやつなの!」


「でも受験には響かないんだって。よかった。」


「もうなんにもしないといいけどね。」



なんて話している矢先のこと。



バンッ・・・!!



廊下の方から、何かがぶつかったような大きな音が聞こえた。





< 224 / 478 >

この作品をシェア

pagetop