【完】キミと生きた証
「天使君!!」



あいつの名前、天使っていうのか。


・・・変な名前。



「は?俺のこと!?」


・・・いや、名前違うのか。




「あたしは瞬が好きなの。だから、絶対、付き合えないです。ごめんなさい!」




ちとせの高くて可愛い声が。


俺を好きだっていう声が。



廊下に反響してる。



一年はなんかいいながら走ってどっかに行ったけど。



「これで、安心・・・かなぁ?」


俺に首をかしげて問う。



あまりに愛らしい、ちとせ。



「・・・だい」「ちーちゃんやっるー!!」



真由の声に重なって俺の声が消された。




「だい?」


ちとせの大きな目が俺の顔を見つめる。


「だい・・・大丈夫。」



本当はあのバカ保健医が邪魔しなきゃ、


大好きだって俺が言って


ちとせは真っ赤な顔をしてはにかんでたはずだ。



「気を取り直して・・・偏差値、見に行こっか!」



ちとせはそう言ってにこっと笑った。



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