【完】キミと生きた証
「・・・瞬との待ち合わせね・・早く来て待ってるのが・・すきなんだぁ。」


「なんで?」


「瞬がね・・・扉あけるとき。どきどきして、きゅんってして。好きって気持ちでいっぱいになるの。だから・・好き。」



「あー・・・。わかるかも。」


「ほんとう?・・あはっ。」



ふたりして照れ笑い。



そして得意の沈黙。




「もうすぐ・・・ツリーだね。」


「ゆっくり行こーぜ。」


「うん。今日・・・写真とりたいな。」


「またカメラ持ってきたのか?」


「持ってきた。去年はどきどきしすぎて、忘れちゃってたから・・。」


「俺も。めちゃくちゃ緊張してた。」


「・・手、繋いだよね。」



「繋いだ。めっちゃ勇気だした。」


「あはっ。そう・・だったんだぁ。」




ちとせが身を捻って、俺の手にふれた。




「あたしは今でも、こうすると・・どきどきするよ。」



いつもと変わらない目で俺を見上げる。



真っ赤な頬に、はにかむ口元。



「・・・俺もに決まってんだろ。バーカ。」



「バカじゃないもん・・・。ふふっ。」




俺たちは、ずっと変わらない幸せなカップルだ。






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