【完】キミと生きた証
「でもさぁ聞いてよ!瞬くんのハーレーっていうの?いかついバイクに乗せてもらったんだけどね!運転、超危ないから!」


「・・・え?そうなの?」


あたしが瞬の方を向くと瞬が手袋を外しながら、ソレを否定する。


「ちげえよ。こいつがびびりなだけ。つーか、今日は仁奈子が乗ってるから安全運転だっただろ。」


「どこがよ!絶対ちーちゃんだけは乗せないでよね!!」


「当たり前だろ。お前、宝をバイクの後ろのっけて走るか?」


「・・宝じゃなくて悪かったですね。」




二人のやり取り見つめてたら、おかしくって笑っちゃった。


「・・あはっ。いつの間にか仲良くなってる・・。でも瞬気を付けてね。事故になったら危ないよ」



「まじで大丈夫。こいつが慣れてないだけだから。」



「ちーちゃん、電話の時より息きれてないね?」


「・・・ふふっ。あのね、最近調子がいいんだ。」


「発作も起きてねえもんな。」



「そっかぁ・・・。早く退院できるといいね!!」



仁奈ちゃんが持ってきてくれたお花は、瞬が慣れた手つきで生けてくれた。


それを見てた仁奈ちゃんは


「瞬くん、もう元ヤンとは思えない・・・いや、あの運転はヤンキーの名残か。」


ってぼそぼそ呟いてた。



< 302 / 478 >

この作品をシェア

pagetop